汚水処理は凝集剤で!‐基礎・テクニック・事例、全部1記事にまとめました!

2019-10-31

汚水処理を凝集剤で!基礎・テクニック・事例この1記事にまとめました!
 
 
どうも、凝集剤.comアドバイザーの小西です。
 
汚水処理を凝集剤でやるっ!!
 
と一言で言っても、粉末(粉体)凝集剤もあれば液体凝集剤もあり、使い方も様々です。
 
 
この記事では、凝集剤とは何なのか、基礎から、処理をより効率よく確実に行うためのテクニック、やってはいけないこと、事例も含めて、ガッツリ公開しちゃいます!
 
 
まずはこれだけでもいいので聞いてください!
 
凝集剤と調べても、専門的な用語や、技術的内容はたくさん出てきますが、正直すべてがさっと理解できるものはほとんどありません。
 
この記事では、濁水、汚水の処理や工場排水の処理などを、できる限りわかりやすく書いてありますので、初めての方からしっかりと理解ができるようになっています。
 
 
とても長い記事なので、目次から気になるところだけでも見てください☆
 
 
 

1.凝集剤とは何のか?目的は?

基礎がわかること、それは、世界が変わること

凝集剤とは、汚れた水(例えば泥水や絵の具を洗った水等)の中の汚れを、ギュッとまとめることできれいな水と汚れに分けることを言います。
 
こうすることで、きれいな水はそのまま流し、汚れだけを捨てることができるので工事現場や、食品工場排水をきれいにするための費用を抑えたり、環境破壊を抑えることができるようになります。
 
 
ただし、凝集剤と言うのは水の中の汚れを取ることが目的なので、塩素や窒素など水の中に溶け込んで出てこないものは取り出すことができません。
 
 
簡単に言うと、にごった水のにごりは取れても、透き通った水のミネラル成分などを除去(とる)ことは難しいんです。
※もちろんやり方によって取れるものもあります。
 
 
この凝集剤の大きな目的は、汚れの大きさを少しずつ大きくし、網でも救えるサイズにすることで、簡単に水と汚れを分けることができるようにすることです。
 
汚れをを少しずつまとめて大きくするっていうところがポイントですよ!
 
 
それでは、その原理などについて説明していきますね。
 
 

1-1凝集剤の役割分担

凝集剤と言っても大きく分けて二つの役割があります。
 
・汚れを小さな粒にするための1次凝集
・小さな粒を大きくするための2次凝集
 
凝集剤とは?基礎編‐5つのポイントでしっかりと理解する』でかなり詳しくわかりやすく書いているのですが、
 
水の中の汚れと言うのは、汚れ同士が反発しあって(分散)いる状態です。
反発しあっているからこそ、汚れがまんべんなく水の中にいるため透明度が無く汚れているように見えます。
 
牛乳もその一つで、乳脂肪分などが液体の中で分散しているため真っ白に見えます。
牛乳からチーズを作るときには、酢を入れてしっかり混ぜる上げることが大事なのですが知っていますか?!
 
それがまさしく凝集処理の1つです!!
 
豆腐も凝集物の1つとしてみることもできますね☆
 
 
これを、泥水(汚水・濁水)や工場から出る排水に対して行うのが凝集処理です。
 
1次凝集には、PAC(ポリ塩化アルミニウム)やエンテツ(第二塩化鉄)、硫酸バンド(硫酸アルミニウム)などを使っています。
 
 
そこで出てきた汚れの小さな粒たちを大きな塊にするのが高分子凝集剤です。
 
 
この部分を理解することが最も重要なので、『凝集剤とは?基礎編‐5つのポイントでしっかりと理解する』という記事に詳しく、わかりやすく書いているので、全体像をしっかりと把握すること理解しやすくなります。
 

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1-2液体凝集剤と粉末凝集剤

粉末凝集剤と液体凝集剤はどちらがいいの?

凝集剤には粉末凝集剤と液体凝集剤があります。
 
粉末か液体かの違いと言うのはもちろんですが、他にどんな違いがあるのかわかりますか?
 
粉末と液体の大きな違いは
 
・混ざりやすさ
・コスト
・扱いやすさ
 
ざっくりとこの3つを覚えておくといいです。
それぞれのイメージはこんな感じです
 
・混ざりやすさ
⇒粉末<<液体(液体が混ざりやすい)
・コスト
⇒粉末>>>>>液体(液体の方が安い)
・扱いやすさ
⇒粉末>>>>>>>液体(液体は扱いが難しい)
 
 
これだけ見ると液体の方が、扱いは難しくても、安くていいように見えますが、扱いやすさについては、ものすごく難しいので注意が必要です。
 
 
よくある凝集剤で違いを見てみると
 
粉末は、色々な成分の混合物であることがほとんどで、1剤で1次凝集から2次凝集までできるものが多いです。
 
一方液体は、1次凝集、2次凝集と目的に合わせて使っています。
手間がかなり増えてきますね。
 
 
 
あとは、処理する廃水の量と、入れる薬品の量によりけりな部分もありますが、液体凝集剤を効果的に使うためには、入念な事前テストを実施して、入れる量を細かく図って使う必要があるため、数十リットル程度の廃水処理にはあまり向いていません。
 
 
処理する量などを考えながら使い分ける必要がありますね。
 
粉体凝集剤と液体凝集剤の選び方について詳しく解説した記事がありますので、以下の記事も合わせて読むことをおすすめします。
 
 
 

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2.水処理をするために必要な事

水処理をするためには、最低限確認しておくことがあります。

 

「こんな内容当たり前だろ!!」

と、思う事もあるかもしれませんが、とても重要なことなのでしっかりと確認をしてください。

2-1その凝集剤で水処理ができるのか

凝集剤とは、その名の通り、汚れを"凝集"させるものであって、水に溶け込んだ塩素など、取り除けない成分もあることを知っておく必要があります。
 
ここでは、処理実績について紹介していきます。
 
 
まず、あなたの考えている廃水(排水)・汚水が凝集剤できれいにできるのか、という事についてですが、どんな汚れが混ざっているか把握していますか?
 
 
少しでも把握していれば希望は見えてきます!
 
 
基本的なものでいえば、以下のものが取り除けることになります。
 
・SS(混濁物質)
いわゆる濁った汚れのもと
・COD
汚れの処理に水中の酸素がどれだけ使われるか、魚などの生死にかかわってくる内容です。
・重金属類
公害のもとになりうる金属成分など
・N-hex
ノルマルヘキサンと言って、いわゆる油成分
・その他
フッ素や鉛など、水質基準で厳しく定められている成分の除去も目的としています。
 
 
排水基準も合わせて、処理実績についてご紹介いたします。
 
ここに書かれていなくても、処理できる可能性は十分ありますので
書いてないからダメだと思わないでくださいねm(__)m
 
大幅に改善した事例があるもの:◎
改善した事例があるもの   :○
あまり期待できないかも   :△
出来ませんm(__)m      :×
 
水素イオン濃度(pH) : ◎ 基準値5.8~8.6
浮遊物質量(SS)   : ◎ 基準値200㎎/L
生物化学的酸素要求量(BOD) : ○ 基準値160㎎/L
化学的酸素要求量(COD) : ◎ 基準値160㎎/L
ノルマルヘキサン抽出物(N-hex) : ◎ 基準値1鉱油類   5㎎/L
  ◎基準値2動植物油脂類30mg/L
フェノール類含有量(Pnl) : ○ 基準値5mg/L
銅含有量(Cu) : ◎ 基準値3㎎/L
亜鉛含有量(Zn) : ◎ 基準値2㎎/L
溶解製鉄含有量(Fe) : ◎ 基準値10㎎/L
クロム含有量(Cr) : ◎ 基準値2mg/L
大腸菌数 : △ 基準値3,000個/日 cm3
窒素含有量(Tp) : △ 基準値120g/L
リン含有量(Po4) : △ 基準値16㎎/L
1,2ジクロロエタン : × 基準値0.04㎎/L
ベンゼン : × 基準値0.1mg/L
ひと手間加えるとできるもの
ホウ素
フッ素
ニッケルイオン
NH4
 
 
この、ひと手間加えるとできるものって結構コスト削減のポイントになります!
 
もちろん、1剤で何でもできちゃえばそれに越したことはないですが、そのひと手間がないと処理ができないものがあるのも事実…
 
 
私がテストした中で、そのひと手間でコストが大幅に削減したよくある内容を特別にお話いたします。
 
 
処理を目的としていた廃水はダイキャスト後のバレル研磨と言う、金属のバリなどを取る際に行われる工程の廃液ですが、
金属の加工を実施するため、錆が発生しないように防錆剤を入れたりして廃水が強いアルカリになっていることがあります。
 
 
オイルフロック』だけでも3000ppm程度で処理はできたのですが、やはり強アルカリでは効力が落ちてくるため、ひと手間加えて中和することで、1000ppm前後で簡単に処理ができるようになりました。
 
 
他にも、イオン化した成分を析出(粒として出す)させるためにあえてアルカリに寄せることもあります。
 
 
このひと手間に気付くかどうかで、コストが大きく変わるので、これはプロにお任せした方がいいかもしれませんね。
ひと手間があるか、ないかの判断もしてもらえます。
 
 
ちなみに
 
 
中和処理をして凝集剤の使用量が減ったというのはなぜだかわかりますか?
 
凝集処理をしている成分の一部は、5.6~8.6程度の中性域でもっとも効果を発揮します。
これは、多くの文献にもしっかりと記載されているまぎれもない事実です。
 
何を取り除きたいかがわかれば、答えも見つけやすくなるんですよね。
 
 
ちょっと脱線してしまいましたが、一番最初に確認するのは、あなたが処理しようと思っている汚れた水が凝集処理できるものなのかをしっかり把握しておくことです。
 
その為には、排水基準を知っておいてください。
排水基準についてはこの後で少し詳しくお話ししますが、
 
処理についての基本的なポイントと、失敗しないために知っておくことについて書いた記事もありますので、下記の記事も合わせて読んでみてください。
 
 

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2-2水質汚濁防止法を把握する

汚れた水はどこでも捨てていいわけではありません。
 
・汚れた水を河川や、下水などに流すこと
・近くに巻いて土に染み込んでいくこと
は、環境破壊につながることはわかりますよね?
言い換えれば、その汚れた水をあなた自身が飲むことになります。
 
あなたは、泥や薬品で汚れた水を飲めますか?
 
 
きっとあなたは、水道から出る水を当たり前のように飲み、当たり前のように料理やお風呂に使っていると思います。
 
 
でも、世界的に見ると、飲める水が蛇口から出てくる国は、ざっくり15カ国程度しかないんです。
 
 
これからもきれいな水を飲むためには、そこら中に汚れた水が捨てられることを防ぐ必要があります。
そこで制定されているのが水質汚濁防止法(環境省)と上乗せ排水基準と言うものになります。
 
 
ここからが本題です(前置きがちょっとだけ長くなりました(;’∀’))
 
 
水質汚濁防止法とは、環境省で制定されているものですが、水処理と排水と言う観点から見ると、まず見るべきところは一律排水基準と言う一覧になります。
 
検索するとすぐに出てきますが、環境省では以下のものが一律排水基準として規制されています。(2018年8月8日現在)
■有害物質
有害物質の種類 許容限度
カドミウム及びその化合物 0.03mg Cd/L
シアン化合物 1 mg CN/L
有機燐化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン及び EPNに限る。) 1mg/L
鉛及びその化合物 0.1 mg Pb/L
六価クロム化合物 0.5 mg Cr(VI)/L
砒素及びその化合物 0.1 mg As/L
水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物 0.005 mg Hg/L
アルキル水銀化合物 検出されないこと。
ポリ塩化ビフェニル 0.003mg/L
トリクロロエチレン 0.1mg/L
テトラクロロエチレン 0.1mg/L
ジクロロメタン 0.2mg/L
四塩化炭素 0.02mg/L
1,2-ジクロロエタン 0.04mg/L
1,1-ジクロロエチレン 1mg/L
シス-1,2-ジクロロエチレン 0.4mg/L
1,1,1-トリクロロエタン 3mg/L
1,1,2-トリクロロエタン 0.06mg/L
1,3-ジクロロプロペン 0.02mg/L
チウラム 0.06mg/L
シマジン 0.03mg/L
チオベンカルブ 0.2mg/L
ベンゼン 0.1mg/L
セレン及びその化合物 0.1 mg Se/L
ほう素及びその化合物 海域以外の公共用水域に排出されるもの: 10 mg B/L
海域に排出されるもの: 230 mg B/L
ふっ素及びその化合物 海域以外の公共用水域に排出されるもの: 8 mg F/L
海域に排出されるもの: 15 mg F/L
アンモニア、アンモニウム化合物、
亜硝酸化合物及び硝酸化合物
アンモニア性窒素に0.4を乗じたもの、
亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の合計量:
100mg/L
1,4-ジオキサン 0.5mg/L
■その他の項目
項目 許容限度
水素イオン濃度(水素指数)(pH) 海域以外の公共用水域に排出されるもの: 5.8以上8.6以下
海域に排出されるもの: 5.0以上9.0以下
生物化学的酸素要求量(BOD) 160mg/L
(日間平均 120mg/L)
化学的酸素要求量(COD) 160mg/L
(日間平均 120mg/L)
浮遊物質量(SS) 200mg/L
(日間平均 150mg/L)
ノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類含有量) 5mg/L
ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類含有量) 30mg/L
フェノール類含有量 5mg/L
銅含有量 3mg/L
亜鉛含有量 2mg/L
溶解性鉄含有量 10mg/L
溶解性マンガン含有量 10mg/L
クロム含有量 2mg/L
大腸菌群数 日間平均 3000個/cm3
窒素含有量 120mg/L
(日間平均 60mg/L)
燐含有量 16mg/L
(日間平均 8mg/L)

引用:環境省一律排水基準

 
これは各物質に対する規制値ですが、それ以外にも外観などの規制もあります。
 
外観や、水素イオン濃度(pH)について、『排水基準-水質汚濁防止法…結局どれくらいの汚れ?? 』にかみ砕いて書いてありますので、合わせて読んでみてください。
 
 
でもこれは、全国"一律"であり、海や河川、湖沼の近くではこの基準では十分ではない場合があります。
 
 
そこで"上乗せ排水基準"です。
 
 
上乗せ排水基準は、一律排水基準では不十分とされる場合に、一律排水基準より厳しい基準を各都道府県が決めることができるものです。
 
上乗せ排水基準では、同じ河川でも上流域と下流域で基準が違ったり、港の近くで厳しい基準を設けられていたりと、都道府県によって細かく決められています。
 
なので、工場や事業場で排水する場合は、各都道府県の排水基準(上乗せ排水基準)をしっかりと調べて
 
・流しても問題ないのか
・流せるレベルまで処理ができているのか
 
についてしっかりと確認しておくことが必要です。
 

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2-3経験を積むことと事例を知っておくこと

なんでもそうですが、初めての事って不安がありますよね。
凝集剤を使った水処理でいえば、
 
・本当に処理できるのか…
・自分でうまく使えるのか…
・子の汚れた水も処理できるのか…
 
 
他にもあると思いますが、不安を解消するためには経験することが一番の近道です。
 
とはいえ、
 
経験する前にある程度情報を仕入れておきたいですよね☆
ここでは、実例や実験結果をもとにどんなものに効果があるのかを紹介していきますので、あなたの考えている廃水と近いものがあれば、参考にしてください。
無くても処理のイメージ、処理方法についての構想を立てる等に役立ちます。
 
 
まず、凝集剤を使った水処理の方法・流れについてですが、基本的には次のような流れになります。
 
1.廃水が溜まっているタンクに凝集剤を入れる。
2.タンク内でしっかりと混ぜて凝集処理を実施
3.待つ(処理水と凝集フロックに分かれるのを待つ)
4.上水を排水する(※各自治体の排水基準をクリアする必要あり)
  ※排水基準については、一律排水基準をチェック
5.フロックを脱水処理する
 水を抜くことで捨てる量を減らし、廃棄コストの削減を図る
 
 
この流れを機械でやるのか手でやるのかってだけの話です。
 
 
大体の流れを把握してもらったところで、廃液処理の実例を紹介します。
 
まずはよくあるパターンだと…
こんな廃液処理で実績があります!
 
モルタル・セメント・レミコン(生コン)廃水・コンクリートのろ・左官屋モルタルの洗い水・削り水(道路カッターやコンクリート関連)・ため池清掃廃水(アオコの除去や透明度改善)・アンカー廃水・杭打ち廃水 トラック付着泥水・トンネル掘削廃水 ・コンクリート切断廃水・汚泥固液分離・ヘドロの処理・塗料廃液・食品廃液・油エマルジョン廃液・水溶性切削廃液・洗浄廃液・鉄道関連廃液等々…
 
 
色々出来るのはわかりますが、わかりにくい…
(他の記事でこのように書いててすみませんm(__)m)
 
なので、ここではもう少し深堀していきます。
 

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2-3-1研磨廃液
研磨廃液と言っても、1種類の廃液もあれば、あらゆる廃液が混ざっている場合もあります。
一番重要なのは、混ざってても、混ざってなくても

 

それぞれが凝集処理できるか
という事ですからね!
それぞれできるなら混ざってもできる!!
 
で、
 
研磨廃液を処理する際の注意点は、
 
・分散剤が入っているものがあるか
・粒子が細かい為攪拌時間を長めにとる
 
この二つですね。
 
 
分散剤が入っているものに関しては、処理ができない場合もあります。
処理ができるにしても、分散剤にかつ凝集力が必要になるため凝集剤を入れる量が増える傾向にあります。
 
そして、攪拌時間が長くなるのはなぜかと言うと

 

粒が小さい=同じ汚れの濃度でも汚れの数が多い

 
という事が原因の1つです。
凝集剤は小さな粒を少しずつ大きくして、網でもすくい取れるサイズにすることで、きれいな水と、汚れに分けやすくするものです。
 
なので、小さな汚れが多いほど、汚れが大きくなるまでに時間がかかりやすくなります。
 
 
でも、この二つを理解しておくことで、微粒子の凝集処理も安心して処理ができるようになってきます。
 
凝集処理現場を見てわかる3つのポイント』の記事では、研磨廃液の処理風景から、簡単な脱水処理方法のやり方、どんな設備を使えばいいのかのアドバイスを、できる限りわかりやすく書いてあります。
 
 

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2-3-2ダイカスト(ダイキャスト)・バレル研磨廃液・塗型排水
ダイカストは金型にアルミ合金などを流しこんで製品を作ること
バレル研磨は、その金属製品のバリ取りなどで使われる工程

 

です。

 
ダイカストでは金型から金属を取り除くために離型剤を使いますが、その離型剤の廃水処理で凝集剤が効果を発揮しています。
 
バレル研磨の廃水は正直簡単ですね。
 
一点注意すれば…の話ですが、

 

金属を酸化(錆)させないために、防錆剤を入れすぎていることがよくあるんです。

 
防錆剤を入れすぎると、アルカリが強くなり凝集効果が薄れることがあります。
 
対策としては、中和して処理するのがかんたんですね。
pH9~10程度であればうまく処理できる場合もあるので現状で使えるかを試してみるのが一番です。
 
 
離型剤の排水はありませんが、バレル研磨廃水で処理テストを実施した動画が『ダイカスト関連排水処理はオイルフロックと相性抜群!! 』の記事にありますので、どれだけ、バレル研磨廃水の処理がかんたんにできるかをご覧ください。
 
 
あとは塗型(とがた)廃水ですね。
 
塗型とは鋳物の表面の焼き付けを防止する目的などで鋳型表面に塗型材を塗る作業のことを言いますが、この塗型材の廃水処理でも凝集剤は効果を発揮します。
 
塗型材と言っても種類が沢山あり、何でもかんでも凝集処理ができるわけではありませんが、実際に凝集剤を使って処理しているお客様もオイルフロックの凝集力にご満足頂き毎月ご利用いただいております。
 
 
これまで処理した中でも似たような廃水処理の案件はたくさんあり、ダメもとで依頼を頂くことも多々ありますが、処理出来てびっくりしているお客さん結構いるので、ダメもと依頼もOKです(笑)
 

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2-3-3コンクリート関連廃水
コンクリート・モルタル…それぞれ砂・砂利・水などをセメントでしっかりと固めた、建築土木工事の材料として使われるものです。
 
コンクリートもモルタルも、強度を出すために骨材(こつざい)をセメントで固めた状態なので、敵はセメントでしょうね。
 
 
特性もセメントの影響を受けます。
でもコンクリート関連廃水処理として説明しますねm(__)m
 
 
排水はアルカリ性-中和処理が必要
 
ここで生まれるべき疑問は二つあります。
 
・排水がアルカリ性
・中和処理が必要
 
 
排水がアルカリ性になるのは、セメントの成分が水と反応することにより水酸化カルシウムを発生させるためです。
これが強いアルカリ性を示します。
 
そして凝集剤はPAC(ポリ塩化アルミニウム)や硫酸アルミニウム(硫酸バンド)等、アルミ系のものが使われることが多いのですが、このアルミ系の無機凝集剤が最大限の効力を示すのがpH6~9程度の中性域です。
 
 
なので、アルカリが強いと凝集力が落ちる傾向にあります。
 
 
よって、コンクリート関連廃水の凝集処理は基本的に
 
中和⇒凝集処理
 
の流れが基本です。
凝集剤.comで扱っている水澄まいる(アルカリ型)は中和処理も同時に行えます。
 
 
 
それと、私の経験上結構厄介な問題がコンクリートのノロの処理です。
 
 
コンクリートのノロは溜まる前に処理するべきたった1つの理由』と言う記事で詳しく書きましたが、凝集剤で処理をすると必ずフロックができます。これは、汚れの量に対してできるので、汚れの濃度が高すぎるとうまく処理ができなくなるんです。
 
NETISと言う国土交通省が管理している新技術の中にも、凝集処理についての技術が出ていたりしますが、どれも20,000ppm以下の排水に対しとしているものが多くみられます。
 
 
何が言いたいのかと言うと、
 
コア抜きや、道路カッターで出るコンクリートのノロだけを集めて処理したいという場合、希釈しないと処理できないですよ!
 
ってことです。
 
凝集剤はたくさんの水分の中にある汚れを取るのが目的であってドロドロしたものを処理する目的ではないという事を事前に理解しておいてください。
 
 
水に均一に混ぜられても、水分汚少ないものに均一に混ぜるのは難しい
 
 
排水の状態を見て,溜まる前に処理していけば、コンクリート関連廃水も簡単に処理することができます!!
 
 

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2-3-4浸透探傷剤(PT液廃水・カラーチェック廃水)
金属、セラミックス、ガラスのクラック(ヒビ)や傷などのチェックに使われる赤や黄色の液体が、浸透探傷剤です。
 
特に、薬品にしっかりつけてから、表面を拭き取って行う方法では排水量が多くなることがあり、その廃水の処理を行うのが結構厄介だったりします。
 
薬品の呼び方も様々で、
 
・染色浸透液
・蛍光浸透液
・カラーチェック
・浸透探傷剤
・探傷剤
・スパーチェック
・蛍光(ケイコー)チェック
 
等があります。
 
先ほど、赤や黄色の…と言いましたが、黄色(蛍光)がかなり厄介なんです。
赤は結構簡単に処理できます。
 
もちろん黄色(蛍光)も粉体凝集剤のみで凝集処理することが可能ですが、ここで注意するのはやはり
 
廃液の濃度です。
 
廃液の濃度がかなり重要なので気を付けてくださいね。
 
 
凝集処理は、廃液中の汚れを集めることを目的としているので濃度が高すぎると、ドロドロになったり、変化が見られなかったりと、残念な結果になることがよくあります。
 
 
私がテストした中でも20倍以上に希釈しないとうまく処理の効果が見えなかった排水もありますので、排水の原液がドロドロ、またはトロトロしているような排水であれば、必ず希釈してテストしてみることをお願いしています。
 
 
 
透明になった廃水は、水質基準を満たしていれば排水することができますので、排水量が多い場合はかなりのコスト削減につながります。
 
 
ちなみに、凝集剤.comで扱っている蛍光の浸透探傷剤を処理できる凝集剤は、他の凝集剤と
 
併用厳禁
 
です。
他の凝集剤もそうだと思いますが、専用の凝集剤は、絶妙なバランスで作られているため、併用することで効果を失い、廃水処理できるものも、できなくなるので、使用方法等はしっかりと守ってくださいね。
 
 
蛍光も!?浸透探傷剤(カラーチェック)洗浄廃水処理ができる凝集剤』と言う記事で、このあたりの事をまとめていますので、見てみてください。
 
凝集剤.com(小西)が代わりに廃水処理テストの実施もしています。
 

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2-3-5番外編-泥水や絵具等での実験(夏休みのイベント等)

必見サバイバルの化学 加須市立大越公民館様、夏休みの水処理実験

郡山市ふれあい科学館様、加須市立大越公民館様など、夏休みの実験や体験の一部として凝集剤を利用し、
 
水に対する考え方(大切さや貴重さ)
 
をお子様やその親御様に伝えるなどのイベントを開催されました。
その様子を記事にしてあります。
 
郡山市ふれあい科学館様  :『必見!!サバイバルの科学!!
 
水処理と言っても「???」と言う人も少なくないので、やはりインパクトがあるのは、身近なものでの実験ですよね。
 
雨が降れば泥水はその辺にあるし、
絵具は小学生ならだれでも扱っていると思います。
 
 
でも、多くの場合は、それを学校、または家庭で洗ってそのまま流しているのが現状ではないですか?
 
厳しい目で見ると、アウトです。
 
 
薄まることで排水基準をクリアする場合もありますが、本当は流してはいけない水だという事を知らなければいけません。
家庭で絵具を洗うというのは、学校ですべて洗って流すと、水質基準をクリアできなくなる場合なども考慮しているかもしれないのかな…と感じています。
 
 
結局、流した水は
 
下水や河川等に流れ、
魚が汚染されたり、動物が食べる植物などが汚染されたり…
それを人々が食べることに…
 
絵具の水なんて飲めませんよね(;’∀’)
 
 
浄水場で水をきれいにしていても、どんなものでもきれいにできるわけではありません。だからこそ、法律で排水基準が設けられているんですよね。
 
 
とは言え、
 
 
そもそも、水や凝集処理に興味を持っている人なんて、ほとんどいないと思うんですよね。でも、この記事を読んでいるあなたは興味を持っている数少ないありがたい人です!
 
そんなあなたが、多くの人に水の大切さや水処理について伝えていただけるのであれば、できる限りのご協力をさせていただきます。
 
 

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2-4失敗から学ぶ成功事例

失敗しないに越したことはないですけどね(笑)
でも、絶対に失敗しないなんて無理じゃないですか?
 
 
失敗は成功のもととか言いますよね。
 
成功することはとても大事ですが、最も大事なのは、

 

そのプロセス(どのようにして成功したのか)なんです。
 
成功するためには、事前に調査したり失敗したりするものです。
 
ここでは、失敗を怖がらずやってほしい気持ちと、同じ失敗を繰り返してほしくないという気持ちからよくある失敗談についてお話ししようと思います。
 
 
まず、粉末の凝集剤という事は、
 
つまり、
 
 
 
粉(こな)
 
 
です!
 
水、湿気に弱くて、取り扱い時に舞う事がある
 
 
粉ですからね。
 
当たり前のようなことですが、この当たり前のことを気にしない人が多いんです。なので、粉体凝集剤のデメリットについて知っておくことが重要です。
 
他にも、料理をしたことがあればわかると思いますが、粉ものって、水にドバっと入れたときダマになりやすくないですか?
そのダマになったのものの中心はまだ粉の状態なんです。
 
基本は、しっかり攪拌しながら少しずつ入れていくのがベストで、ドバっと入れると、全ての凝集剤を有効に使えずに、思った以上に多くの凝集剤を使う羽目になります。
 
 
コストを抑えるのであれば、入れ方に注意するのがベストです!
 
 
次によくあるのが、汚れの量を気にせず使うってところですね。
 
正直、販売者からしたらありがたいこと(笑)
 
でも、安いものではないので、できる限り少しの量で処理できた方が良くないですか?
 
その為には、大体の汚れの量を知っておくことが重要になってきます。『泥水・濁水処理-凝集剤を使って失敗する人の共通点 』で詳しく書きましたが、
 
・処理するために必要な凝集剤の量(目安)
・混ぜ方
・そもそも処理できる凝集剤なのか
 
について、できるだけはっきりとさせておいた方が、処理コストも抑えられて、きれいかつ確実に処理ができるようになります。
 
いつもちゃんと処理できるのに、最近うまくいかないなぁ・・・

 

なんて思っている人にまれにあるのが、古い凝集剤を使っていて処理できないという事です。
 
湿気などにも弱いのが粉体凝集剤のデメリットなので、長い時間放置しておくと、劣化、または湿気により反応して凝集剤として使えなくなることがあります。
 
かなり重要な事なのでしっかりと把握しておいてください。
 
もちろん、これから使う場合でも、古い凝集剤を使うとどのような結果が現れるかを把握しておくことが大事です。
 
 
古い凝集剤使ってませんか?』には、新旧凝集剤を使った処理の比較動画を載せてあります。
古くてもある程度処理ができるため、知らないで使うと以外に「おぉ!」ってなっちゃうかもしれませんね。
 
 

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3.知ってるだけで全然違う!水処理テクニック集

水処理テクニック集はこれだ!

私が書いた、水処理に関する記事の一覧を載せておきます。
 
例えば、『フロックが細かい…を解決する3つの方法! 』と言う記事では、水澄まいる(アルカリ型)でコンクリート関連廃水の処理をするときによくある質問で、
 
「pH中和されたけど、フロックが細かくて土嚢から出てきちゃうんだけど??」
 
と言う場合に、使えるテクニックを書いてあります。
 
もちろん、使い方の問題の場合もありますが、中和処理ができてもフロックの大きさに問題がある場合は
 
・長めに混ぜてみる。
・pHを維持できる、ちょっと安い水澄まいる(標準型)で処理する
 
が最も効果的で、コスト削減に効果を発揮します。
 
なぜ、こんなことが起きるのかなどについても書いてありますので、処理に困った時などに、このブログ一覧から答え探しを
してみてはいかがでしょうか?
 
 
 

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4.粉体凝集剤の価格と購入方法について知っておく

オイルフロック、水澄まいるはおいくらですか?どうやって買うの?

凝集剤.comで扱っている商品の価格については、NETで検索すれば色々でてきます。
でも、値段と言っても、見た目だけの値段で判断するのは間違っていますのでこれから話すことをしっかりと理解してください。
 
 
良くある話ですが、買う時の値段だけ見て、処理コストを考えない人が沢山います。
次のうち、あなたならどちらを買いますか?
 
・1㎏1000円で10Lの水が処理できる凝集剤
・1㎏5000円で5000Lの水が処理できる凝集剤
 
 
5000Lなんで、そんなに処理できなくてもいいよ!
 
とも思いますか?
確かにそうですよね…
 
この場合60L以上処理する方のみ検討するべきですね。
 
ここで言いたいのは、事前に処理する水の量に対してどれくらいの凝集剤が必要なのかを考えてほしい
 
という事です
もちろん代わりに調査はします。
 
 
それがわかったところで購入を検討するべきですね。
 
 
代引きでの購入ができるサイトも紹介しておりますので、『凝集剤の価格はズバリこれ!100gから買える!水澄まいる・オイルフロック』に書かれている方法で、あなたにとって一番都合のよい方法で購入を検討してみてください。
 
価格の比較のために見ていただいてもいいですよ!
 
 

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5.凝集剤添加量の計算方法

凝集剤の添加量を知る方法は
 
少量(500cc~1L)の水でテストをして
必要な凝集剤の量を見る
そして、処理したい量に対してどれくらい必要かを計算する
 
 
この、計算がめんどくさいんです(笑)
 
添加量や濃度の計算』ではその面倒な計算が自動でできます☆
必要な情報は
 
・処理したい汚水の量
・処理に必要な凝集剤の添加量の目安(○○PPM)等
 
無駄に計算したくなります(笑)
 
 
添加量の目安をどのように計算するのかについては、『添加量の目安を計算する方法 』と言う記事に考え方を書いてあるので、合わせて読むことをおすすめします。
 
 

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6.水処理設備について

水処理の設備は各社様々ですが、必ず専用の設備が必要ってこともありません。
 
粉末の凝集剤を使った水処理に必要な機能を知っておけば、色々な発想から簡単なシステムを作ることができます。
ここでは、必要な設備(機能)と設備の例を話します。
 
 

6-1必要な機能

1.凝集剤を入れる機能(手動でもOK)
2.凝集剤を混ぜる機能(手動でもOKだが疲れる)
3.凝集物(フロック)を沈殿させる機能(放置できる場所があればOK)
4.凝集物と水を分ける(手動またはポンプ)
5.フロックの脱水(時間があれば吊るしておくだけでも効果あり)
 
これがあればOKです!!
 
「これがあればって、簡単に準備できないよ…」
 
 
と思うかもしれませんね。
ここで重要なのは、全て別々に用意する必要はないってことです!
 
 
例えば、ある塗料関係の処理設備はこんな感じです。
 
 
 
ドラム缶に廃液が来る
ドラム缶に取り付けた攪拌機を稼働しする。
攪拌停止後、放置し、凝集物(フロック)が分離するのを待つ。
水中ポンプで凝集物または処理水を抜き出し、ろ布または土嚢で分離する。
分離したフロックを袋ごとプレス、または吊るして脱水する。
 
 
廃液の量が少なければ、準備するものはこれだけで済みます。
 
・ドラム缶
・攪拌機
・排水用ポンプ
・脱水するための袋(ろ布または土嚢袋)
 
 
ちなみに、ドラム缶じゃなくてもいいんですよ!!
 
ホームセンターに売っているポリ容器でもOKです!
攪拌機も簡易的に作ることができます。
電動ドライバー(インパクト)とパワーミキサー(1000円くらいで買えます)
 
 
工事現場等で処理量が1?(1000L)単位とかであれば、ノッチタンクに攪拌機を設置して同様の設備を作ることも可能です。
 
もちろん、濁水処理設備も扱っています。
 
1回50Lから処理できるSMU-50と言う小型濁水処理機から、1時間当たり30m3処理できるSMR-30と言う処理装置もあります。
 
小型濁水処理機【SMU-50】 濁水処理機【SMR-30】水澄まいる工法
 
1日当たりまたは時間当たりの処理量を考慮し、処理量に合わせた設備をご検討いただけますので、処理設備をご検討の場合はぜひお問い合わせください。
 
 

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