高分子凝集剤の粘度が低下する理由と対策

高分子凝集剤の溶解液は、条件によって粘度が大きく変化します。
特に「粘度が下がった」「以前より効きが悪い」と感じる場合は、分子鎖が切断されている可能性があります。


高分子凝集剤の粘度が低下する主な原因

原因内容対策
溶解時の撹拌が強すぎる高速撹拌で分子がちぎれる。分子量低下で粘度が下がる。低速(50〜150rpm)で静かに撹拌
溶解水の温度が高い40℃以上で加水分解が進む。常温(20〜30℃)で溶解
濃度が高すぎる内部摩擦でせん断が発生し分子切断。0.05〜0.2%が適正濃度
溶解時間が長すぎる放置で酸化・分解が進行。溶解後24時間以内に使用
金属イオンや酸性水質鉄・銅・低pH環境で分解。pH6〜8の水、樹脂タンク使用

粘度低下が引き起こす影響

  • フロックが小さく沈みにくくなる
  • 処理水が白濁しやすくなる
  • 添加量が増えコスト上昇
  • ポンプ詰まり・計量不安定のリスク

粘度の低下=分子量の低下=性能の低下、と考えられます。


粘度を保つためのポイント

  1. 水温は20〜30℃で一定に保つ
  2. 撹拌は穏やかに(泡立てない)
  3. 溶解濃度は0.1%前後を目安
  4. 溶解後はできるだけ24時間以内に使用
  5. 金属製ではなく樹脂タンクで溶解

添加量が前後したときの影響

状況主な影響
少なすぎるフロックが小さく、SSが残る、沈みにくい
適正フロックが大きく安定、沈降が速い
多すぎる再分散(白濁)、粘度上昇、配管詰まり

高分子凝集剤は±10〜20%の誤差でも性能が変化します。


高分子凝集剤の種類と特徴

種類電荷の性質主な用途
アニオン系(陰イオン)マイナス電荷土木濁水・鉱山排水など
カチオン系(陽イオン)プラス電荷下水処理・汚泥脱水など
ノニオン系(非イオン)電荷なし原水が不安定な場合の補助用途

現場でよくあるトラブル例

  • 撹拌しすぎてフロックが小さい
  • 粘度が下がり効果が弱い
  • 添加量過多で再白濁
  • ダマが残って溶けきらない

→ 溶解・攪拌・添加の管理がすべての鍵になります。


もっと簡単に扱いたい方へ

高分子凝集剤は効果が高い反面、調整が難しい薬剤です。
設備を持たずに簡単に凝集処理を行いたい場合は粉体凝集剤がおすすめです。

  • 濁水処理なら → 水澄まいる(標準型・アルカリ型)
  • 油混じり・工場排水なら → オイルフロック

粉体タイプなら

  • バケツひとつで処理可能
  • 溶解不要・直接投入OK
  • pH調整と凝集を同時に実現

まとめ

高分子凝集剤は非常に強力ですが、粘度・撹拌・添加量のわずかな違いで効果が変わります。
もし扱いが難しいと感じたら、粉体凝集剤を使うことでより安定した簡易処理が可能になります。

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