撹拌のコツ・その3~巻き上げ?~

凝集はしているけど、凝集物が大きくならない…
テストではうまくできてたのに…

今回は研磨廃水の処理で起こりやすい事象について説明しますが、他の廃液でも知っておくと良い情報です。

比べてみる

ビーカーテストでは出来た。でも実機テストではうまくいかなかった。

違いは何でしょう?
廃液の種類、濃度が変わっていないとすれば

廃水の量…汚れの全体量…混ぜる設備と規模…

ものが同じであればそうそう何かが変わるものでもありませんね。
混ぜる設備と規模が要因な気がしますが根本的な問題を見逃しているかもしれません。

重さ

ものには重さがあります。
水にもSSと言われる凝集させたいモノにも。

特に研磨関連廃水の場合や金属加工廃水の処理においては凝集させたいモノ自体がとても重い場合があります。

それを表す数字が比重です。
※水を1としたときの重さの違い

砂や泥の場合は1.7~2程度になるのですが、研磨剤や金属だとどうでしょう

酸化セリウム:7.13
酸化ジルコニウム:5.89
SiC:3.15~3.2
酸化アルミニウム:3.97~4.1
ステンレス:7.6~8.1
鉄:7.9
銅:8.9
アルミニウム:2.7

結構重いですね。
軽いと言われているアルミニウムでさえ2.7あります。

と。。。言うことは?

重さの違いが与える影響

重さが違うということは、混ぜるのに大きな力が必要ということです。

凝集処理は凝集物同士をくっつけることで大きく、重くなり沈降していくことが基本となりますので、沈むことには問題ないのですが、沈んだものに凝集物を大きくさせる成分がくっついてしまうと、撹拌で回っている小さな粒子が大きくなる要素を失って、なかなか大きな凝集物になってくれません。

沈んだ凝集物をしっかり混ぜ合わせるにはどうしたらいいのか?

撹拌を強くする?

それで改善できればそれがいいでしょう。
ただ、撹拌の方向にも着目してもらいたいです。

基本的に水があちこち飛ばないように撹拌した水は奥へ奥へと行くようになっています。
その水流で巻き上がればいいのですが、重くて巻き上がらない場合は撹拌機で巻き上げるように混ぜてあげるのも効果的です。

要因はどこに?

今回は重さに着目し、環境の変化による影響や撹拌の方法を変える等のポイントをお伝えしましたが、他にも環境が変わっただけで処理がうまく行かなくなったということがあったりします。

その場合、うまくいかなかった要因は何か?変わったことがないかについて状況を見直してみると解決策が見えてきます。

重いものは先に取り除いちゃうのもありですね。

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