【読めばわかる!】pH(ピーエイチ)とは?~排水処理~

1. pHってなに?

💡 pH(ピーエイチ)は、水が「酸性(すっぱい)」か「アルカリ性(にがい)」かを表す数字のこと!
※書くときは「p」は小文字「H」は大文字!

排水処理では、pHが基準の範囲に収まっているかを確認することがとても大切です。

pHの数字水の性質
0~6酸性(すっぱい水)酸性の排水(工場の酸洗い液など)
7中性(ふつうの水)きれいな水(飲み水、処理済み排水)
8~14アルカリ性(にがい水)アルカリ性の排水(せっけん水、洗剤)

2. なぜ排水処理でpHが重要なの?

pHが 高すぎたり低すぎたり すると、環境や設備に悪い影響を与えてしまいます。

🌊 環境への影響

  • 酸性が強いと… → 魚や水生生物が生きられない!
  • アルカリ性が強いと… → 植物や微生物が育たなくなる!

🔧 設備への影響

  • 酸性の排水 → 配管がサビたりする!
  • アルカリ性の排水 → 処理槽に汚れがたまりやすくなる!
    ※金属イオンの反応や油分や有機物が分解されにくくなるなど

3. 排水基準におけるpHの目安

日本では、法律で排水のpHに基準が決められています。

一律排水基準(全国共通の基準)

  • pH 5.8~8.6 の範囲内でなければなりません。

上乗せ基準(自治体ごとの厳しい基準)

  • 地域によっては、pH 6.0~8.0 など、より厳しい場合もあります。
  • どこに確認すればいいの?
     → 自治体の環境部門や、下水道局に確認すると正確な基準がわかります。

4. pHが変わる原因は?

💧 排水処理に影響を与える原因

▶️ 酸性にかたむく原因

  • 食品工場の酸性廃液(酢やレモン成分)
  • 金属加工の酸洗い(サビを取るための液体)
  • 雨水(特に酸性雨)

▶️ アルカリ性にかたむく原因

  • クリーニング工場から出る洗剤・せっけん
  • コンクリート工事で出る強アルカリ排水
  • 染色工場のアルカリ性薬品

5. 排水処理でpHを調整する方法

酸性の排水を中和する方法

  • **石灰(Ca(OH)₂)**を加えてpHを上げる
  • **苛性ソーダ(NaOH)**を使って中和する

アルカリ性の排水を中和する方法

  • **塩酸(HCl)**を使ってpHを下げる
  • **硫酸(H₂SO₄)**を加えて中和する

📌 注意!

  • 中和処理では、過剰に添加しすぎないことが大事です。
  • 処理後は必ずpH計で確認し、基準内におさめる必要があります。

6. pHを測定する簡単な方法

リトマス試験紙

  • 酸性→赤、アルカリ性→青に変わる
  • 簡単な目安を知りたいときに便利

pH試験紙

  • 数字でpHがわかる(1~14まで)
  • 手軽で安価、すぐ確認できる

pH計(デジタル測定器)

  • 正確なpH値がすぐにわかる
  • 大量の排水を管理する場合に必須

7. まとめ!

  • pHは排水処理で重要な指標で、酸性・アルカリ性の度合いを示す。
  • 法律でpH 5.8~8.6 以内にすることが求められる。
  • pHがズレると、環境汚染設備破損の原因になる。
  • 酸性排水・アルカリ性排水は、中和処理で適正なpHに調整する必要がある。
  • 自治体の上乗せ基準を確認し、pH測定をこまめに行うことが大切!

凝集剤を使ってみたい!
凝集処理設備ごと提案してほしい!

などございましたらぜひお問い合わせをお願いします!