鉄(Fe)の除去本当にできてますか?
一見きれいに見えても水質検査でFeの含有量が多い…といったことありませんか?
第一、第二?二価、三価?
酸化鉄の粉(錆等)が水に入っている場合は目に見えて水が茶色いので処理がしやすく、凝集の状態も目に見えてわかりますが、鉄って色々あるんですよね。
凝集処理に使われるものでも「硫酸第一鉄」と「硫酸第二鉄」みたいに数字だけ変わって何が違うんですかぁ?みたいなものがあります。
なんだか難しい話をすると…
鉄の原子価は2価(Fe)と3価(Fe)の2種類があって…
硫酸第一鉄が2価(Fe2+)で硫酸第二鉄が3価(Fe3+)…
ややこしっ!!
言いたいことはただひとつ!
鉄の成分が水に溶け込んでいませんか?
と、いうことですね。
凝集処理は水の中の「粒子」をまとめて大きくし、水と汚れを分離させる処理方法ですので、水に溶け込んだ状況だと処理ができないというのが基本です。
なので、水の中の鉄をいかに析出(粒子として出す)するかがポイントになります。
ではそれはどうすれば…??
いろいろな方法がありますが、今回は凝集処理で処理事例の多い方法で、わかりやすく表現すると「錆させる」といった感じですね。
「錆」させるといいましたが正確には「酸化」させることを意味します。
鉄がどのようなイオン状態で存在しているかにもよりますが、状況によってはかなり強烈な薬品で酸化させないといけない場合もあります。
ひとつの例で言えば次亜塩素酸ナトリウムを使って強制酸化させる方法があるのですが、それだと酸化しきれず残ってしまう場合もあるということです。
過去に次亜塩素酸ナトリウムを使って処理テストを行い、しっかり凝集処理ができていると目視で確認できたものの、放流環境で試すと時間が経って黄色い水の状態になってしまったことがあります。
これは更に強力な酸化剤を使わなければならない状況にあり、凝集処理の前処理で苦労した記憶が…
とはいえ、鉄は錆びさせる(酸化させる)ことを頭に入れておくといいかもしれませんね!