凝集剤の選び方|用途別の濁水処理・コンクリート排水・油まじり排水の比較ガイド

工事現場や工場排水の濁水処理では、「一般濁水」「コンクリート・セメント関連排水」「油混じり排水」「設備を置きにくい場所での濁水対策」「公共工事での書類対応」など、状況に応じて選ぶべき凝集剤が変わります。

要約:凝集剤の選び方(用途別)

  • 一般濁水(掘削・造成・法面などの土砂濁り) ⇒ 水澄まいる(標準型)
  • コンクリート・セメント排水(ノロ水・高pH排水) ⇒ 水澄まいる(アルカリ型)
  • 油を含む排水(食品油・切削油・白濁油など) ⇒ オイルフロック
  • タンクを置きにくい場所での濁水対策 ⇒ 除濁タブ
  • 公共工事の承認願い・NETIS・出荷証明など ⇒ 公共工事向けガイド

それぞれの用途ごとの詳しい凝集剤の選び方濁水処理の手順・添加量の目安は、以下のリンク先で解説しています。

まずは下記から 最も近い用途 をお選びください。詳細ページで、特徴・使い方・添加量の目安・注意点を解説しています。

凝集剤の用途別比較表|濁水処理・コンクリート排水・油排水

用途 推奨凝集剤 添加量の目安(100Lあたり) 適応pH 設備
一般濁水(掘削・造成・法面など) 水澄まいる(標準型) 約20g(200ppm) 中性付近 沈殿槽・タンクが必要
コンクリート・セメント排水(ノロ水・高pH排水) 水澄まいる(アルカリ型) 約20〜140g(200〜1400ppm) pH10〜12の強アルカリ 沈殿槽・タンクが必要
油混じり排水(食品油・切削油・白濁油など) オイルフロック 約20g〜(200ppm〜、SS濃度により調整) 中性域が目安 沈殿槽・タンクが必要
濁水対策(設備なしの流路・側溝・河川など) 除濁タブ 調整不要(目安:1kgで最大300m³) 中性〜弱アルカリ タンク不要(吊り下げで使用)
公共工事書類(承認願い・出荷証明・NETISなど) 承認願い・出荷証明などの手続き

※添加量はあくまで目安です。原水のSS濃度やpHによって最適な量は変動しますので、少量テストでご確認ください。

凝集剤の添加量の決め方と濁水処理における撹拌の基本

粉体凝集剤の添加量は「ppm(mg/L)」で表現します。100Lあたりのおおよその換算は次のとおりです。

  • 100ppm ≒ 10g / 100L
  • 200ppm ≒ 20g / 100L
  • 1000ppm ≒ 100g / 100L

実際の濁水処理では、まず200ppm(100Lあたり20g)前後からテストし、沈降状態を見ながら徐々に増減させていく方法が安全です。SS濃度が高い場合や、コンクリート排水のようにpHが高い場合は、必要量が増える傾向があります。

撹拌はすべての粉体凝集剤で「弱撹拌 → 強撹拌 → 静置」が基本です。弱撹拌で薬剤を均一に広げ、強撹拌でフロックを育て、その後静置して沈降させます。沈殿したスラッジは必ず回収してください。

よくある質問(凝集剤の選び方・濁水処理)

Q. 凝集剤はどうやって選べばよいですか?

処理したい水の種類で選びます。一般濁水には水澄まいる(標準型)、 コンクリートやノロ水のような高pH排水には水澄まいる(アルカリ型)、 油を含む排水にはオイルフロック、設備を置きにくい場所の濁水対策には除濁タブが適しています。

Q. 濁水処理での添加量はどのように決めればよいですか?

まず100Lあたり200ppm(20g)を基準に小さな容器でテストし、 フロックの大きさや沈降速度を見ながら調整します。SS濃度やpHが高い場合は、やや多めが必要になることがあります。

Q. コンクリート排水(ノロ水)を処理する際の注意点は?

pH10〜12の強アルカリ排水のため、水澄まいる(アルカリ型)を使用します。 入れすぎると処理水が酸性側に振れる場合があるため、少量テストで適正量を確認しながら添加してください。

Q. 油混じり排水でも同じ撹拌方法で良いですか?

はい、基本は同じです。薬剤を均一に広げる「弱撹拌」と、 フロックを育てる「強撹拌」、その後の静置がポイントです。 白濁したエマルジョン排水ではやや強めの攪拌が有効です。

凝集剤の選定・濁水処理テストのご相談・サンプル依頼

現場の写真や排水の状況(pH・SS濃度・水量・排水基準など)をお知らせいただければ、より具体的な凝集剤の選定や濁水処理テストの進め方、添加量の目安をご提案いたします。