【凝集処理】排水前に水質検査で何を見る?

1. 水質検査ってなんですか?

水質検査とは、その名の通り水の状態を検査するものです。
凝集処理の視点でいうと、出てくる水がそのまま流せる水であるのか、凝集処理した水が流せる状態であるのかを確認するために検査を実施することがあります。

元(原水)の水の状態はどのような状態?
それを処理した水は流せる状態なの?

ってところですね。
ちゃんと基準を守っておかないと罰則などもありますので水を流す場合はしっかりと状態の検査をしておきましょう。

2. 検査項目って何がある?

ここでは凝集処理をした水が流せるかどうかに視点をおいて説明します。
検査項目は多数あり、その環境によって項目を変えて検査を行う必要がありますが、基本的に以下の5つの項目を測定しておくことをおすすめしております。

(1) BOD(生物化学的酸素要求量)

  • 水中の有機物を微生物が分解する際に必要な酸素量
  • BODが高いと水質汚濁の原因となる
  • 基準値:通常20~30 mg/L程度(業種や自治体により異なる)

(2) COD(化学的酸素要求量)

  • 水中の有機物を化学的に分解する際に必要な酸素量
  • BODよりも短時間で測定可能
  • 工業排水で特に重視される
  • 基準値:50~100 mg/L程度(業種や自治体により異なる)

(3) ノルヘキ(ノルマルヘキサン抽出物質)

  • 油分や動植物由来の脂肪分を測定する指標
  • 油汚染の管理に重要
  • 基準値:5 mg/L以下が一般的

(4) pH(酸性・アルカリ性の指標)

  • pH 5.8~8.6(一般排水基準の場合)が適用されることが多い
  • pHが基準を超えると生態系や設備への影響が懸念される

(5) SS(浮遊物質量)

  • 水の中に浮いている汚れ(溶けていないもの)が混ざっている量
    ※浮いているものがなければ水は透き通っている(色は関係なし)

この5項目を基本として、原水に含まれている成分や、自治体ごとの排水基準などを考慮し検査を行ってみてください。

その他、排水基準にどういった物があるのかについては下記を参考にして調べてみてください。

3. 排水基準・水質汚濁防止法

排水する場所、地域によって基準が変わる場合があるのでしっかりと確認して排水してください。

(1) 一般排水基準と下水道排水基準

  • 一般排水基準:水質汚濁防止法で定められた、河川や湖沼へ排出する場合の基準
  • 下水道排水基準:下水道法に基づく基準で、公共下水道へ排出する場合に適用

(2) 上乗せ排水基準とは?

  • 各自治体が独自に設定する、より厳しい排水基準
  • 例:東京都、神奈川県などではBODやCODの基準が厳しく設定されている

(3) 上乗せ基準の確認方法

  • 事業所がある自治体の環境局や水質管理課のウェブサイト
  • 地域の条例や規則を確認(自治体の担当部署に問い合わせるのも有効)