【凝集剤が水と汚れを分離させる謎を解明!!】

凝集剤を入れると濁った水が透明な水と汚れに分離しますが、なぜ分離するかを考えた事はありますか?

凝集反応の例として泥水では微細な泥を集めているという事は何となく想像できますが、色のついた水、例えば絵の具を使った後の筆の洗い水なんかはどうでしょう?

絵の具も実は色の付いた微細な粒が水の中に多数浮遊しており、それが沈むことなく漂っている為、水に色が付いたように見えるわけです。 この浮遊している微細な粒を一つに集めることによって水と汚れ(微細な粒)を分離します。

凝集の仕組み

前置きが長くなりましたが、その微細な汚れを集める仕組みを説明します。

自然界に存在する水の汚れは一般的にマイナスに帯電している為、互いに反発してなかなか凝集してくれません。(図1)

そこで、プラスの電荷をもつ凝集剤を入れることによってマイナスとプラスが引き合い小さな凝集物(基礎フロック)が出来ます。(図2)

この状態ではまだまだ凝集物が小さくしっかりと分離させるにはもう少し大きな塊にしたいところです!

そこで高分子凝集剤の出番です。(図3)

この高分子凝集剤は水の中を漂っている小さな凝集物をより大きな凝集物にまとめる効果があります。

高分子凝集剤を基礎フロックのできた水の中いれることによって目に見える形で水と汚れに分離します。(図4)

一方で、食塩水や砂糖水のような「水に完全に溶け込んだ物」については、微細な粒子がないので水と砂糖や塩を水と分離させる事が難しい事が解ります。