【読めばわかる!】ノルマルヘキサン(N-HEX)とは?~排水処理~

1. ノルマルヘキサンってなに?

💡 ノルマルヘキサン(n-Hexane) は、油分や脂質を含む物質を測るための指標です。

本来の「ノルマルヘキサン」は、炭素が6つつながった炭化水素という物質ですが、排水処理では **「ノルマルヘキサン抽出物質」**という油分全般を指すことが多いです。

ノルマルヘキサン抽出物質とは?
 → 油やグリース(脂肪分)、動植物性の油脂、鉱物油を指します。


2. なぜ排水処理でノルマルヘキサンを測るの?

ノルマルヘキサン抽出物質は、油分が含まれているかを調べるために使われます。
油分が多いと、次のような悪影響を与えます。

🌊 環境への影響

  • 水面に油膜ができて、酸素が水に溶けにくくなり、魚が窒息する。
  • 油分が土壌にしみ込むと、地下水を汚染する。

🔧 排水処理設備への影響

  • 油が配管に付着して、詰まりや故障の原因になる。
  • 処理槽に浮かんで膜を作り、微生物の活動を妨げる。

### 3. ノルマルヘキサンの排水基準

一律排水基準(全国共通の基準)

種類基準値
動植物油(食用油など)30mg/L以下
鉱油(機械油・エンジン油)5mg/L以下

上乗せ基準(自治体ごとの厳しい基準)
→ 自治体によってはさらに厳しい基準が設けられている場合があります。
 確認方法自治体の環境部門下水道局に問い合わせると正確な情報が得られます。


4. ノルマルヘキサンが含まれる排水の原因

ノルマルヘキサン抽出物質は、さまざまな業種から排出されます。

発生しやすい場所

  • 食品工場:揚げ物、食用油の使用
  • 自動車整備:廃油や潤滑油
  • 金属加工:切削油・防錆油
  • 飲食店:油を使った調理、洗浄排水

### 5. ノルマルヘキサンを減らす処理方法

① 油分を取り除く方法

▶️ 油水分離槽(グリーストラップ)

  • 比重の差を利用し、油分を水から分離する装置。
  • 飲食店食品工場では設置が義務付けられている場合が多い。

▶️ 吸着材を使う

  • 活性炭やオイルキャッチャー(油吸着材)で油を吸収。
  • メンテナンスが必要ですが、簡単に油を回収できます。

② 生物処理

▶️ 好気性処理(活性汚泥法)

  • 微生物を使って油分を分解。
  • 分解しにくい鉱油には適さない

▶️ 嫌気性処理

  • 酸素を使わず、油分をゆっくり分解。
  • 高濃度の油排水にはこの方法が有効。

③ 化学処理

▶️ 凝集沈殿

  • PAC(ポリ塩化アルミニウム)や高分子凝集剤を使い、油を固めて沈める。
  • 工場排水で油が多い場合に有効。

### 6. ノルマルヘキサンを測る簡単な方法

① 簡易測定キット

  • 市販の簡易測定器で目安を確認可能(手軽で安価)。

② 専門機関に依頼

  • 正確な数値は分析機関に排水を送って測定する。

③ 赤外分光法(IR法)

  • 公式な測定方法で、ノルマルヘキサン抽出物質を正確に測れる。

### 7. まとめ

ノルマルヘキサン抽出物質とは、排水に含まれる油分を示す指標。
排水基準は、動植物油で30mg/L以下、鉱油で5mg/L以下に制限されている。
原因は食品加工や自動車整備、飲食店の油を含む排水。
油分除去には、油水分離槽吸着材凝集沈殿が有効。

➡️ 適切な油分処理を行い、環境と設備を守ろう!🌍

凝集剤を使ってみたい!
凝集処理設備ごと提案してほしい!

などございましたらぜひお問い合わせをお願いします!